「大丈夫か?」



ホテルを出た後、私達はホテルからかなり遠いところにあるカフェに行った。



「ここまで来れば、あいつもわかんないだろ?」という彼なりの気遣いだと思う。



でも私はとにかく男の人が怖くて、怖くて・・・。



涙があふれてあふれて・・・。



彼が助けてくれた人っていうのは分かってる。でも、本当は私をこれから襲おうとしてるんじゃないかって・・・。



見渡せば、ラブホなんてどこにでもあって・・・。



もう、こんなの嫌だ・・・。



「何か買ってくるけど・・・飲むか?」

「いい! 私に構わないで!お願いだから・・・放っておいて。助けてくれてありがとう。でも、私・・・しばらく男の人、信じられそうにもないから。じゃあね。バイバイ」



自分でもひどいと思う。



でも怖い。それは否定の出来ない事実だ。



実際私は挿れられてる。



初めては、私の初めては・・・。



そこまで考えて、やめた。余計涙があふれるだけだ。



「早く・・・行ってよ!」

「ヤダね」



何で?



ひどい。



私がこんな思いをしてるのに、この人は何が楽しくてここにいるの?



「もう・・・いい。私が帰る。ここのお金は私が払うから」