「そんな声出してないで、さっさと行きなよ」 「どこへ?」 「彼氏。呼んでるよ」 私は慌てて立ち上がり、教室のドアの方に向かった。 「よ」 サクは短くあいさつした。 「何?どうしたの?」 「話がある。来い」 「うん・・・」 サクについていくと、中庭だった。 「寒くないから」 そう断ってから、サクは何個かある細長いベンチのうちのひとつに腰を下ろした。 私は同じベンチに。 人一人分の間があいた。