歩斗は笑顔で頷いた。

 「じゃあ、デザートの苺の用意する
  かな。」

ママがため息をついて、キッチンへと
向かった。

 「…愛華。
  都に行ったら気をつけろよ?」

 「え?なにを?」

歩斗は呆れたようにため息をついた。

 「笹嶋さんとか、知らない人に話し
  かけられても写真撮ったりとかす
  んなよってこと!」

 「あー。うん。
  でも、悪い人じゃなさそうだった
  よ?」

 「あー…調子狂うな。
  とにかく、オレは極力近くにいる
  ようにするけど…。」

歩斗は困ったように頭をかいた。
未だに歩斗の言ってることがわからな
い。

 「歩斗、ミルクいる?」

 「大丈夫!いただきます!」

ママの出してくれた苺を歩斗はフォーク
で刺した。

 「お前、笹嶋さんに一応ナンパされた
  ってことだからな?」

 「え?
  …ええー!!!???」

あたしはなにがなんだかわからなくて、
目眩がした。