「やっぱり、あのあと歩斗となんか
  あった?」

そう言って蓮はニヤリと笑った。

 「なんもないってば!」

 「そう必死に否定するほど怪しいぞ!」

 「蓮のバカー!」

あたしの投げたボールは見事に蓮の横を
すり抜けていった。

 「ボールは大切に!」

 「…はい。」

…あれ?
なんかまた昨日みたいな感じになってない

集中力が切れてるような…。

 「歩斗、ナイスボール!」

 「あざーっす♪」

…歩斗の声を聞いただけで集中力が切れた。
昨日みたいにあたしはほっぺをたたく。

 「集中しろ、自分!!よっしゃー!!」

コートのど真ん中でそう叫んだから、皆の
動きが一瞬だけ固まった。

 「あ…。」

めっちゃ恥ずかしい…。