5,6時間目は調理実習だった。

クッキーなんて混ぜて焼くだけなのに…
なんで優奈は失敗したんだろう?

優奈のクッキーは炭みたいに真っ黒!
 
 「あれ?なんでだろ…?愛華、なんで?」

 「そんなこと言われても…もう1回やってみたら?」

その時のあたしはもうラッピングの作業
に入っていた。

歩斗は青、日花梨先輩はピンクの袋に
入れて白いリボンをつけて完成だ。

少し余ったクッキーは、黄色い袋に入
れて置いておいた。

 「愛華ー!」

優奈がもう泣きそうな表情でこちらを見つめている。

 「うっわ!」

さっきよりもヒドい焦げ方をしたクッキーを
見て、あたしは思わずそう言ってしまった。

 「私、もうあきらめる!」

 「でも、蓮に渡すんじゃないの?」

 「基山君はモテるから何個も貰ってるよ。」

溜め息まじりに優奈はそう言った。