困ったあたしは後ろの席の優奈に助けを求める。

あたしの方を見てニヤりと笑い、優奈はノートに何かを書き出した。

 『ソフトテニスの素晴らしさを語れだって!』

あ、それのことか!

優奈ナイス!!

 「2人で1本ですかね。」

 「…は?」

クラスの全員が笑っている。

…もしかして!

 「なんでバナナはオヤツに入るかって聞いたのに、本数を答えたんだよ!」

 「しかも2人で1本はちょっとなぁ?」

やってしまった!!

そして、優奈に騙された!

 「すみません!聞いてなかったです!」

笑顔で先生に平謝りしたあとに、あたしは優奈の方を見た。

優奈はまだ笑顔だ。

 『優奈なんかに相談しないからっ!』

あたしがノートにそう書くと、優奈は慌てて手を合わせて頭を下げた。