「そんなことないよ。」

歩斗の顔を直視できない。

あたしは空を見ながらそう言った。

　「だって、いっつもそうじゃん。」

　「ああ…そうかもね。」

　「オレが原因で２人が喧嘩したりさ、オレが悪いのに２人が怒られたり。」

あたしは昔のことを思い出して笑ってしまった。

確かに…。

あたしと蓮のトラブルには必ずと言っていいほどに歩斗が関わっていた。

　「全部、歩斗のせいだよね。」

　「そうなんだよなー。オレのせいなんだよ！」

声を上げて歩斗は笑った。

ノー天気っていうか、バカっていうか…

　「だけど…いままでオレが２人のこと困らせてたけどさ、今度はオレが困らされる番だと思うんだよね。」

そう言って歩斗はあたしの顔をみて笑った。