「それとこれとは別…。」

言い終わる前に歩斗に手を引かれていた。

 「何?」

 「語るのはやっぱ屋上だろ!」

…あたし、まだ語るとも言ってないんだけど…。

でも、歩斗の手ってこんなにおっきかったっけ?

 「授業は?」

 「めんどくせーし!」

バカだ。

マジでバカだ。

 「てかさ、事の発端ってオレだろ?」

 「なんで?」

 「お前、今日は質問多いな。」

歩斗があたしをみてはにかんだ。

歩斗のこんな顔はレアだ。

こんなに優しく笑うことはほとんどない。