「蓮と優奈、まだですかね?」

 「もう来るでしょ?
  練習だって参加するんだろうし。」

こっちの男子もコート割りが後半からだった。
蓮だって出来るだけ多く練習したいと思ってるはず。

 「あ、愛華ー!」

 「お、来た。」

あれ?…優奈、すごく嬉しそう。
蓮となんかあったのかな?

 「基山になんもされなかった?」

日花梨先輩が心配してそんなことを聞いたのか、ふざけて聞いたのかなんてわからない。

 「基山君はそんな人じゃないですよ!」

優奈が笑いながらそう言った。

 「ゴメンね、優奈。
  あたしのせいで!!」

優奈があたしの言葉に対して、首を小さく横に振った。

 「大丈夫だよ!
  てか…逆にありがとって感じ。」

 「え?」

やっぱり…なんかあったんだ…!!

 『後半のコート割り当ては…。』

あたし達のいる場所は本部の真下なので、アナウンスがよく響く。

 「何?気になるんだけど!」

 「日花梨先輩ッ!」

まったく…この人と来たら。

 「いや…ただ、写真バラまかないでっ
  てことと…。
  調理実習で作ったクッキーのお礼…
  。」