「全員いるかー?」

先生が人数確認をする。

あたしはまた日花梨先輩の隣。

 「ねぇ、愛華。
  結局、フったんだよね?」

 「…はい。」

迷いはなかったと言ったら嘘になる。
…でも、あたしが好きなのは歩斗だって
いうのには変わりはない。

 「笹嶋かぁ…。
  結構タイプかもー!」

日花梨先輩が和田先輩に聞こえるように
言ったようにみえた。

 「勝手に言ってろ。」

そんな和田先輩も表情が硬い。

 「日花梨先輩!」

 「ああ、ゴメン!
  そんで?」

…あのあと…。

 『…笹嶋さんは、カッコイイし、優しいし
  …。
  凄くいい人だと思います。
  でも…ごめんなさい。』

 『ああ…やっぱり?』

笹嶋さんは最初からわかっていたような返事
をした。

 『…すみません。』

 『謝ることないよ。
  城田のこと、好きなんでしょ?』

 『え!?』