「どうする?」

 「…あの、すみません…。
  見てきてもいいですか?」

 「もちろん。
  でも、あとで反省会しようね!」

 「はい!ありがとうございます!」

あたしは頭を下げてから、男子のコートへ
と向かった。
次の試合までしばらく時間がある。

 「あれ?愛華。」

 「あ…どうも。」

タイミング悪い…。
なんで笹嶋さんと目が合っちゃうかな…。

 「どっち見に来たの?」

歩斗か笹嶋さんってこと…?
そんなの…。

 「愛華!こっち来いって!」

歩斗の声がした。
…なんか怒ってる…?

 「う、うん!」

歩斗、笹嶋さんのこと潰すとか言ってた
けど…大丈夫かな…。

 「愛華、まぁ…歩斗のこと応援してや
  れよ。」

 「わかってるよ、ガンバ!」

…正直、この時の歩斗には話しかけづら
かった。
なんか…凄い大切な試合みたいな気がし
て…。