「でも、和田先輩は日花梨って…。」

 「アイツは誰でも下の名前で呼んでる
  よ。」

先輩が静かにため息をつく。
下の名前か…。
気にしたこともなかったけど…。

 「もう思いきって呼んじゃえばいいん
  じゃないですか?
  海斗って!!」

 「恥ずかしすぎるだろ!!それ!!」

先輩があたしに枕を投げてきた。
…日花梨先輩、顔真っ赤…!

 「先輩、かーわいい!!」

 「うっさいアホ~!!」

なんか、先輩の意外な一面知っちゃった
な。
すごく…一途なんですね。

 「…愛華はいいよね。
  いつだって好きな人と一緒にいれる
  んだし。」

 「今更幼なじみってのも恥ずかしいん
  ですけどね。」

そうだよ。
誰だって好きな人とはずっと一緒にいた
いんだよ。

 「ピンポーン!」

こんな時間に訪問なんて…誰?
まさか先生?

あたしは恐る恐るドアを開けた。