「あたし、レッドカード出されたことないよ?」

 「オレだって初めてだよ!」

興奮する歩斗を落ち着かせるように、蓮は歩斗の肩に手をおいた。

 「ファイナルだったし…歩斗は悪くない。」

 「オレのせいだよな…。都大会にいけるチャンスだったのにさ…。」

歩斗は多少ネガティブ思考なところがある。

そんな時に空気の読めないヤツが登場する。

 「たっだいまぁ~♪」

…パパだ。

 「…おかえり。」

パパが片手にお土産らしき包みを持って、キッチンへと向かった。

 「これ、トドの缶詰だって!笑っちゃうよな!」

 「マジ!?ウケる!!」

…この夫婦は能天気だ。