「気をつけろよ。
  愛華はこう見えてもモテるから。」

 「そんなことないってば!」

…なんか歩斗の顔、怖い。

 「んじゃ。」

 「ちょ、蓮っ!!!!」

クールに右手をあげて、蓮は家に入って
いった。
 
 「蓮は余計なことばっか言いやがって
  …。」

 「そうだね。」

そんな顔しないでよ。
なんか…緊張するじゃん。
いつもみたいに笑ってよ。

 「…ま、合宿楽しもうぜ!じゃ!」

 「うん。バイバイ!」

歩斗は自分の階になるとエレベータを降り
ていった。

…なんで歩斗はあんな顔したんだろ?
いつもならバカにしてくるはずなのに。

 「わかんないなー。」

 「…何がわかんないって?」

 「ひっ!!!」

1人だと思っていたエレベーターにはあ
たし以外にも人が乗っていたみたいだ。

 「オレだよ。愛華。」