「さ、また乱打でもするか!!」

 「はい!」

日花梨先輩と2人きりの練習する機会はもうほとんどないんだと思う。

あたしは日花梨先輩のボールを全て全力で受け止めていきたい。

これが、日花梨先輩からの精一杯の何かだと思うから。

 「ほら!トップ打ちいくよ!!」

 「はい!!」

日花梨先輩がラケットを大きく振り上げた。

 「おらぁ!!」

 「…え?」

日花梨先輩の打ったボールは、途中で軌道が変化した。
そして、スライス回転がかかってラインを割った。

 「名付けて日花梨スペシャル!
 やっぱり私には程遠いね!愛華!」

 「…騙された…。」

あたしは膝をついてがっくりとうなだれた。