コーヒーを探していると、起きぬけに開けた窓から風が入った。 ベランダの物干し竿にかかる小さなピンチが揺れる。 『待っててね。今、洗濯物を干しちゃうから』 柔らかな彼女の笑顔と、手にした僕の靴下。 「うん」 いつものように答えけど、やっぱりガランとした空間がそこにあった。