「ここらへんも変わったな……」


見上げた町並みには、見知らぬ店が立ち並ぶ。


その中で、彼女の勤めていたスーパーだけが、今もそこに存在していた。



「フッ……」


思わず、レジを確認してしまう自分の浅はかさに、笑いが込み上げる。


「いる訳ない……な」


踵を翻し、駅へと急いだ。