俺様☆姫様★王子様 3



………そんなことよりも。



「ねぇ……あいつ、上手いの?」


上げていた腕を下ろされていく。

締め付けられてた手首は、ゆっくりとその力が抜けて。


「……んっ……」


手首から肩にかけて、ゆるゆると滑らせるカインの指先は、しなやかで、やっぱり蓮と同じでキレイだな…。



って、同じ事言わせないでよね。


耳っ!

耳元で言うんじゃないわよ!



今気が付いたんだけど、あたしって多分”耳”、弱いんだね。

思わぬところで自分の弱点発見だよ。ありえない

ホント。

ありえないよ。



そんなトホホなあたしに追い討ちをかける、暗黒に瞳を染めたカイン。



そして


今度は


ふっ、と耳に息を吹きかけてきやがった。