「カイくん、スタンバっといてね?あ、火の始末はきちんとするのよ?」


「ラじゃ~!」


マネージャーに呼ばれれば、瞬時に仮面を被って笑顔を貼り付ける。

皆が知ってる、ユルい俺に変身するんだ。



本当の俺は違うのに。



パタンと閉まる扉。
外と内を隔ててるそれは、俺の仮面の境目かもしれないな。




ふぅ~、


紫煙を吐けば一度虚しさが込み上げてくる。


何故か胸に引っかかって、抜けない棘のような、真夏の太陽を浴びるあのコの笑顔。