やだ……手がカタカタ震えてきた。
カインにバレちゃいけないのに。
話を聞くつもりでここに逃げ込んだんだから。
そのあたしが雷なんかに震えてちゃダメ………
「………ヒメっち」
あの、あの、
何かやけに背中が暖かい気が…。
しかもあたしの肩にも重みがあるような。
「かかかっカインっ!?」
「五月蝿いよ、ヒメっち。暫くこのままで」
「このままって……」
ダメだってば。
「あいつは日本(こっち)に居ないからヘーキ。第一こんなとこ誰もわかんないよ」
あいつ………蓮の事?
やっぱり日本に居ないんだ。
事務所のホワイトボードも、蓮のスケジュール欄は空白だった。
やっぱりカインは知ってるんだ。

