段々と雨がきつくなってきてて、地面は全て色を変えた。
いよいよ本降りになりだして、髪も着ている服もかなり濡れてる。
だけど、どちらも動かない。
ひとしきり笑ったカイン。
すっごくムカつくんだけど、何故か怒ることが出来ない。
だって………
「泣かないでよ」
雨の雫で誤魔化そうとしたって無駄だよ。
バレバレ。目が赤いよ?
「泣きたいのはこっちだし」
さっきの一言でキズ付いたんだから。
「………泣いて…ない…し…」
「ウソつかないでよ」
鼻声じゃん。
「うるさいなぁ……。そっちこそ泣けばいいじゃんか」
「泣かないよ、バカイン。泣くくらい悩んでるなら話してみなさいよ」
「だから泣いてない……」
まだ意地を張るつもりか。

