「カ……イン……?」
すとんと膝から降りた。
なんだ、今度はちゃんと下ろしてくれるんだ。
さっきみたいにまた捕まれたらどうしようかと思った。
少し屈んで覗き込むと、カインはまた泣きそうな顔をしていて。
「………大丈夫。カイン」
何がなんてわかんない。
今酷いこと言われたんだけど、ただ息苦しいだけ。
そう、蓮が何をしてるのかわからないだけ。
ちょっと連絡が来ないだけ。
………。
あ、そだ!自分で暗示をかけてみよう。
ダイジョウブ、ダイジョウブ、ダイジョウブ、ダイジョウブ。
きっと忙しいんだよ。
昔からよく言うじゃない?
メールが無いのは元気な証拠って。
あれ?ちょっと違ったっけ?
とにかく。
別れ話をされた訳でもなければ、そんな素振りがあった訳でもないんだから。

