樺音は恐らく俺を恨んでる。
あいつが中学生の頃大事にしてた”居場所”を奪った、卑劣な兄貴だと思ってるから。
あれには深い訳があったけど、俺はそれを話してはいない。
あの事がきっかけで、やたらと反抗するようになり、金魚の糞みたいにくっつきまわってた俺の後を追わなくなった。
敵視するようになったんだ。
それから程なくして、どこで連絡を取り合ったのかわからないが、樺音と緋崎が手を組んだらしい。
五十嵐からの情報だから、これは確実だ。
俺を恨んでる樺音に手を貸す緋崎。
それがどういう意味か。
答えは簡単。
緋崎も俺の事を恨んでるという明確な事実。
そしてその二人が何を企んでるのか。
それが俺が名波に頼んだ事。

