俺様☆姫様★王子様 3



「蓮、ヒメちゃんの件だけど、ちょっとややこしくなりそうだぞ」


車から出ようとする俺を引き止めるように名波が言う。


俺が調べるように頼んでいた事を報告してくれるようだ。



ドアを閉めてもう一度車内に戻る。





「ややこしくなりそう?」


「ああ。あの男だよ、例の」


「あいつが?……やっぱり何か企んでやがったか」


「みたいだな。どうする?ヒメちゃん辞退させる方向で社長に話すか?」


「…………いや、ちょっと待て。それは姫華がマイナスになっちまう」


そう。
俺はあいつが哀しむのが一番辛い。

この仕事をやると決めた日から、あいつはこの短期間で人の何倍も努力していた。

それを側で見ていたんだから、誰よりもわかる。

馬鹿みたいな話だけど、笑っていて欲しいんだよ。