そうなの。
コケると思った瞬間、あたしの身体を支えてくれたカイン。
だけどその後が、そりゃもう大変だったんだから。
辺り一面ファンで埋め尽くされてるフロアの真ん中で、カインに抱き止められたんだからね。
キャーキャー叫ぶわ、泣くわ、どさくさに紛れてカイン触りまくるわで、顔なんてあげれたもんじゃなかったわよ。
しかも、何故かカインは誰かにキレてたし。
それを助けてくれたのは、優秀なデパートの警備員さんとスタッフの皆さんだった。
ガードしながら道を作ってくれて、隠すように非常口から裏へと出してくれた。

