あの日……
俺がロスまで連れていったあの日から。
スカイブルーの海ときらきらした”あのコ”の笑顔が忘れられないんだ。
絶世の美女ではないけど、愛らしい顔。
華奢で細いのに、力はある。
でも泣き虫。
いや、正確には泣きそうな顔だったけど。
その癖意外と気が強いし。
あの日の出来事は俺の真ん中にチクチクと小さな痛みを覚えさす。
この痛みを何と呼ぶかなんて、俺は知ってる。
だけどそれは兄貴の女だから。
兄貴のモンだから。
そう言い聞かせてみるけど……。
どうせ好きなように抱いて、飽きたら捨てられるんだ。
だったらいっそのこと俺が…

