毎日毎日、溜まり場だった倉庫へ行っては、先輩とバイクを弄る。
楽しくて仕方なかった。
『樺音、もうここに出入りすんじゃねぇ』
ある日あいつが急にそれをぶち壊したんだ。
勿論反発したさ。
『なんでだよっ、兄ちゃん!俺、ここが好きなんだッ』
『っるせぇ、お前みたいなガキが来るとこじゃねぇんだよっ』
『いやだっ!兄ちゃん理由はなんだよ!俺の居場所を取りあげないでくれよ』
だけどあいつは何も教えてはくれず、今までに無いくらいの力で俺を引き摺って帰ったんだ。
次の日からは、常に使用人が俺を監視していた。
徒歩10分の学校でさえ車で送迎。
帰宅後はまた監視付きで、家庭教師までつけられた。
やっとの思いで脱け出して向かった先は、勿論倉庫。
だけどそこで見たのは、俺が知ってる場所じゃなかったんだ。

