あのコも今までのオンナとかわんねぇのか?

あの薄汚ねぇメス共みたいに、中谷の財産目当てなのか?


だとしたら、俺なんか興味ねぇか。


だって俺は次男。

あいつが居る限り一生俺はニ番手。

一番になることなんてあり得ない。


良くて影武者だ。


そう。

俺はいつもあいつの尻拭いばかり押し付けられてきた。

親にも先生にも、全てから。


あいつが中1になったとき、俺はまだ小学3年生だった。

あの頃から大人びていたあいつは、世間で不良と有名な年上連中とばかりつるんでたんだ。


他校ともめたり、バイクを乗り回したり。


あいつは事あるごとに俺を引っ張り回して、10歳近くも離れた人達に混ざらされた。

同い年のガキな遊びにうんざりしていた俺にとってそれは刺激的で、毎日が楽しかった。


まだ子供だった俺は全然わかってなかったんだ。


あいつがどんな人間なのかを。