目の前にサラサラフワフワした茶色い健都の猫っ毛。


切れ長の目にすうっとした鼻に、大きな口。







健都のベッドに降ろされた私。





「……抵抗しねぇの?」






「……また彼女と別れたの?」





「……まだ俺のこと好きなの?」







……いつからだろう。



健都と寝るようになってしまったのは。





「…んぅ……」


「……ミキ…いい子だ。」




健都にいじめられて、甘い声が出るようになってしまったのは…いつから。












情事が終わると健都は、あたしをギュッと抱きしめる。


何故だか、愛しそうに。
決して私からは抱きしめ返さない…
私から追いかけてもいつも健都はヒラリと私をかわし置いていくんだ。











「健都、眠ってもいい?」



「…おう、」






私を抱きしめたあと、健都はいつも私を見てくれない。




あたしはベッドの中で静かに泣く。









こんなの、ただのセフレだ…。


ただの幼なじみ、ならよかったのに。