ただ君だけを想う。

イルカショーが始まることにわくわくしていたのに、一人になって過去の思い出が過った。




“見ろよ、海音!イルカだぜ!”

見ればわかるのにはしゃいでいる姿。


“おい、お前呼ばれてんじゃん”

イルカショーでの一般人参加の時私が指名されたこと。


“ほら、ポテト!”

イルカショーが始まる前にふらっといなくなったと思ったら売店でポテトを買って来てくれたこと。




「何で…、…今…思い出しちゃうかなぁ…」


何でこんな時に愁ちゃんを思い出してしまったんだろう。


柏木くんと楽しい時間を過ごしていたのに。


あまりにもあの時と被りすぎて、一人になって仕舞ったはずの思い出が出てきてしまった。



2年に入ってすぐの遠足で、水族館へ行ったのだ。


愁ちゃんとは運良く同じ班になれて、イルカショーも一緒に見たことは今でも覚えている。


あの時、 気付いたら他のメンバーがいなくなっていて、私と愁ちゃんは二人で迷子になってしまったのだ。


すぐに連絡を取ったものの、いくつになっても水族館は楽しいようで、誰も携帯の着信には気付いてくれなかった。


それで最初はみんなを探していたけれど、愁ちゃんが『探してる時間もったいなくね?』と言い出して、二人で水族館を回ったんだ…。