ただ君だけを想う。

「私ね、愁ちゃんに告ってフラれた後、"今までと変わらず友達でいてね"って言ったの。なのにさー、自分からこんな避けて…愁ちゃん気にしちゃうよね」


教室に向かいながら拓海くんに打ち明ける。


『告った方もフラれた方も相手を気にするのはしょうがないデショ。』


「…そっか。」


『そうデショ。』


「さっきから何その喋り方。」


『マイブーム』


「はいはい」


人に話すことで、こんなにも気が楽になるのだと感じた。


「私から話しても、愁ちゃん嫌がらないかなぁ」


『そんなこと思う奴じゃねーだろ。』


「まぁ、そうか。」


『てか、俺が気になるのは愁のことよりも、』


そこで言葉を止めた拓海くんは、何やらニヤニヤしている気がした。


何だか嫌な予感しかしない。


「な、何よ…」


『俺が気になるのは~、祐樹とのことだよ!』


あぁ、やっぱり。という思いと同時に、出された名前に動揺が隠せなくなる。


「か、柏木くんっ!?」


『あー、その動揺っぷりは、何かあったなー?』


「なななっ、何にもないよ!」


『海音、お前意外と嘘付くのヘタだなー』


ぷぷっと笑いながらの拓海くんにちょっとイラつきながらも、見えた教室に駆け込むように拓海くんから離れた。


「もう教室戻る!じゃねっ」


『おー。(あれは絶対何かあったなー。でもま、上手く行ってんならいっか)』


拓海くんのそんな気持ちは知らず、授業が終わってザワザワしている教室に入った。