私が断れば、拓海くんとそのお友達の仲が悪くなるかも知れない。


会って喋ってみるだけだし、


私の勝手な片想いで
人を傷つけたくない…。


『ま、もうそいつこっちに向かってるんだけどな~。』


そんなことを言って、いつもの拓海くんに戻っていた。


そこへタイミング良く、注文した物が運ばれて来た。


それを飲みながら、ここへ来る人の話を少しだけ拓海くんから聞いて

他愛のない話をしていたら…


『わりぃ、遅くなった。』


そう言って急いで来たのか、少し汗をかいている男の子が

私達の席に来て、拓海くんに話し掛けた。


エナメルを背負っていて、髪は短髪。

見た目からスポーツしてるのがわかる。


でも爽やかな感じが…

適度に制服を着崩しているところが…


とてもカッコイイと思った。


そしてどこか……


“愁ちゃんに似てる”


そういう、第一印象だった。