―――――――ドサッ 慌てて音のした方を見ると、香穂がいた。 『香穂……』 ハッとしたように、香穂は逃げるように走り去った。 女を見ると、楽しそうに笑ってる。 瞬間俺の中の何かが音を立てて崩れた。 俺は女の胸ぐらを思いっきり掴んだ。 『テメェ………』 俺の声は怒りに震え、かなり低くなっている。 『今此処でボロ雑巾みたいにしてやるよ……』 そして、思いっきり女の顔を殴った。