蓮がキスしてるのは、今朝の深雪さんだった……… 嘘……… やだ……… ―――――――バン 気が抜けたあたしの手から鞄が落ちた。 その音に気づいた蓮がこちらを見て、目を見開いた。 ヤバッ……… 『香穂………』 止めて……… あたしはその場から走って逃げ出した。 だってあれは……… 蓮が屈んでしたキスだったから……… あたしは無我夢中で走った。 途中で涙が溢れたけど、気にしないで、ずっと走った。