それからお互い色々な事を話した。
相沢みのりさんは緋夜梨のお父さんが働く会社のお得意様の娘さんでいわゆる箱入り娘。
このお見合いも両親が進めてきたらしく、相沢さんはご両親の意見でこのお見合いを決めたらしい。
「私…、お見合い相手が春人さんで良かったです」
少し頬を赤らめながら言う相沢さん。
「私…、春人さんとなら……」
「あ相沢さん!もう、時間も遅いのでそろそろ帰られた方が…」
相沢さんの言葉を遮るようにして言った。
何を言われるのか分かってあえて遮ったんだ。
言おうとした言葉を相沢さんの口からは聞きたくなかった。

