「春ちゃん」 抱き締めたまま、緋夜梨を隣に座らせたら、突然名前を呼ばれる。 「ん?」 顔を緋夜梨の頭の上に乗せながら答える。 今日の俺は相当緋夜梨に甘えてるな…。 「あのね…?」 「ん〜?」 少し目線を下げるとそこには顔は見えないものの、耳が赤いのがわかる。 「………キス…して?」 その言葉と共に緋夜梨の真っ赤になって少し潤んだ瞳が俺を捕らえる。 「…っ……」 その表情があまりにも可愛くても言葉を失う。