それから速水君は毎日一緒に下校するために呼びに来てくれた。 春ちゃんの授業があった日は正直つらかったけど速水君が一生懸命私を笑顔にさせようと頑張ってくれて―…。 春ちゃんは授業中、一度も目を合わせてくれなかった。 ただ、遠くから春ちゃんを見るだけ。 ただ、通りすぎるだけ。 「先輩?」 「ぇ?…」 「大丈夫ですか?ボーっとしてたみたいだけど」 「…うん、大丈夫。 少し考え事…してた」 今日は朝から速水君に誘われてデートしてるんだった。