貸し恋彼氏〜カシコイカレシ〜




それからあたしは何も言えなくて、「すみません」と謝るしかなかった。



でも、もう王子様の江緑君には戻らなくて、悪魔が到来した。



「お前みたいな単純な馬鹿が考える事はすぐに分かるんだよ。」


単純…

馬鹿…


ズシッとドラム缶で殴られる衝動が頭に浮かぶ。



「あの女に引き離されて、別られるチャンスだとか思ったんだろ??」


「っ……」



図星…。

なんかお見事です。江緑さん。



あたしはこの状況にも関わらず、江緑君に感心してしまう。



「お前は俺に借りを返さないといけねぇんだ。」


「はい。」


「そんな分際で逃げようなんざ…いい度胸してるんじゃねぇの??」


「…滅相もございません。」


あたし…さっきまで別れたら百倍返しする!!とか思ってたよね…



もう…立場逆転…。


「お前は、契約上…彼女だ。契約解除されるまで彼女だという事が掟だ。」



……掟。


しかも契約上…


あたし、結構縛られまくりじゃないっすか??