貸し恋彼氏〜カシコイカレシ〜




帰り道が急に遠く見えてきたんだけど…


あたし…生きて帰れるよね?


大丈夫だよね?


長い沈黙の中で、人ひとり分開けて歩くあたし達。


…気まずい。


生きた心地がしない…

「なぁ…」


突然六穏時が口を開いたので、思わず肩がビクッとはね上がった。


「な、何ですか?」


六穏時はあたしの方に顔を向けてじっと見つめる。


なんか言いたかったんじゃないの?


なんで話さない??


見つめあって数秒後、やっと六穏時が口を開いた。


「俺の名前呼んで。」


ん? 名前?


「六穏時江緑。」


あたしが名前を言った直後、いきなり眉間にシワを寄せる。


な、な、なんか変なこと言った?