貸し恋彼氏〜カシコイカレシ〜




喜多山さんがあたしの声に驚きの声を出す。


ど、どうする?あたし!



思わず、自分の頭をポカポカ殴るあたし。


「…誰!?」



喜多山さんが泣きそうな声で、あたしに問いかける。

……正直に謝ろうか…?


…このまま逃げる?



あたしが悩みに悩んでいる最中、足音が聞こえる。


…そね足音は徐々に…こちらの方へ…


あたしは思わず、踞り、顔を隠す。


コツ……


あたしの目の前で止まった足音。



「お前か…」


……ん?


お前とは…あたしの事?


顔を上げると、六穏時江緑がいた。


でも、六穏時江緑は、そんな言葉使いはしないはず。

…丁寧な口調だったはずなんだけれど。