「だめ。今。」


本山くんは不機嫌そうに答える。


奏は、まだだよね…。


「ちょっとだけだよ?」


「あ、この問題だけ。」


私は本山くんが差し出した問題集を見る。


「あぁ、これなら…。」


私はシャーペンを取り出して横に数式を書いていく。