「はははっ・・・。一年たてば、忘れられるって思ってたのに・・・。」



 “彼”への想いはつのるばかりだった・・・



手で涙を拭い、ため息をつく。



私はベッドから抜け出し、クローゼットに向かった。



そして、中に入っている真新しい制服を手にとってみる・・・


 
私は今日から高校生になる。


 
通う高校は、『星翔学園高等学校』


 
この辺で一番頭の良い高校だ。



私はそれほど頭は良くなかったけれど



行かなくてはならない“理由”があった。



私の元彼の快人が、一年前にこの学園の入学式の日の朝



事故で亡くなってしまったからだ。



そして、その事故の責任は



     “私”



だから、せめてもの罪滅ぼしにと思い



この高校を受験した。



一緒に星翔学園に行く・・・



二人の約束は残酷な形で破られてしまった



「一緒に・・・行きたかったよ・・・」



二度と叶うことのない願いを、そっとつぶやいた。



まだ二人が幸せだった頃に交わした約束。