可愛くなりたい





幼なじみという

あの距離は

もうなくなるんだ。


友達ですら
なれないかもなのに


僕はそう言って

洸から離れて走り出した。




「り、梨羽!!!」



後ろから君が僕を呼んだけど

振り向かない。


振り向けない。



だって


今は僕の顔、

涙でぐしゃぐしゃだから……





洸…………っ



好きだよ



想いなんて通じなくていい


ただ

幼なじみのままで
いてくれたら

それでいい…………



そう願ったのに

もう
幼なじみには

戻れない――――。