可愛くなりたい

おかげで
チャイムが鳴る２０秒前に
教室に辿り着くことが
できた。



「またお前ら
遅刻しかけたのかよ」


と男子


「頑張ったね、梨羽」


と女子が言った。




僕だってほんとは
もっと速く走りたかったよ!
でもさ？
洸がノロノロ走るからぁι



「梨羽」



すると洸が
僕に呼び掛けた。



「な、なんだよ…」



「…ありがとな。
おかげで遅刻しなかった」


そう言って
柔らかく洸は笑った。