「もぉ~梨羽。
あなた女の子なんだから
髪くらいときなさい」



お母さんが
僕に向かって注意する。



だって…………



「面倒くさいから いい!」



そして呼び止められる前に
家を飛び出した。



やばいっ!
全力疾走しないと
ほんとに遅刻だぁーっ!



そんな事を考えながら
通学路を走っていると見覚えのある男の子が
前を歩いていた。




「おい、洸」


その男の子とは
幼なじみの木ノ井 洸。