それから10年の時が過ぎた。

ニーナはとても美しい少女になっていた。
しかし……性格にほんの少し問題があった。

今日はニーナの15歳の誕生日。


「大変!またニーナ様がいなくなりましたわ」

誕生日パーティーの準備に忙しいパーティー会場に飛び込んできたのはリザだった。
十年前に比べて若さは失ったものの、美しさは変わらない。

「またニーナが?リザ、探してきてくれ。どうせまた海にいるんだろう」

「かしこまりました、王様」

王はリザが出ていくと途端に心配そうな表情になった。
王座を立ちおたおたと歩き回る。
心配症は十年前からそのままだ。