「んー…ゆめさぁ、もっとズルい子になってもいいじゃんか。
今のイイ子ちゃんじゃ見てて不安だよ。」
「ズルい子?うーん…」
桃子の言いたいことは分かるから
嬉しいんだけど
先生は…困らせたくない。
「まぁ、どうするかはゆめに任せるけど。」
ごちそうさま、と言って
桃子は目を合わせた。
「私はいつだってゆめの味方だからね。」
そう言って桃子が
カバンから取り出したのは
昨日のライブの写真。
「ケータイで撮ったの、さっきプリントしたの。これはゆめの分!!」
何枚かあった中に
先生と私の写った写真があった。
「…わっ、いつの間にぃ?」
思わず顔が赤くなったのがわかった。
「へっへっへー!!それ私からのお守りね。恋愛成就♪」
うぅー…
「ももちゃーん…ありがとう…」
その写真には
先生と私が笑って話してる姿が写ってた。
…私はちょっと苦笑いだけど。
「明日は学校行くから!!」
玄関で桃子を見送って
家にも関わらず
私は大きな声で
昨日の3曲目の歌を
ギターを鳴らして歌った。
