一匹狼くん



怖くて、目が見れなかった

「…なんで」

こう言われるだろうなって
わかってたから……




「ん、じゃあ
いいや。
かばん、ありがと」

「またな」






泣きそうになりながら

見送った


雷斗がでてって
しばらくしてあたしも保健室をでた

下駄箱に向かうと
見覚えのある金色の髪



「晴……くん…?」
「あ、愛実ちゃん
体調大丈夫だった?」

上靴を下駄箱に直しながら
あたしの方振り向く晴くん


「うん、もう平気」
「……じゃ、なにかあった?
涙目だよ?」