私も好き。

そう言おうとしたとき。


ガラッと扉が開く。

佐藤奏が瞬時に私から離れる。




「あらあらあらあら、どうしたの?」

入って来たのは保健の先生。



「あっ、えっと、佐藤くんが、熱あって…」

私は精一杯言葉を紡ぐ。


「あらぁ~何度?」

「38度4分です」

佐藤奏が答える。



当然そんな熱があるから、早退ということになって。
佐藤奏は早退届けを書き出す。


「鈴木さんは、今日は調子いいみたいね。悩みでも解決したの?」

フフフ、と笑いながら先生は冗談っぽく話す。

「ま、まぁ………」