「凛ちゃん!おはよう!」

「…………うん」

次の日。

「はい!今日の分!」

「…………ありがと」


今日もオレンジジュースを受け取る。

まだ雨が続いているのに
佐藤奏は元気だ。



「いいこと考えたんだけどさ!梅雨を楽しむために!相合い傘するってどう?」

キラキラしてる佐藤奏とは裏腹に
私はまだどうすべきかわからないでいる。


「凛ちゃんと相合い傘するために、俺、今日は傘忘れてきたの!」


「しないよ」


「え~、でも俺傘ないしぃ~」

しないよ、できないよ。



「他の人に入れてもらって」


「やだよ。凛ちゃん以外となんて絶対しません!」

また。
ドキッとさせること言って。



「ね?いいでしょ?」


「……今日は、1人で帰りたいから」


それだけ言うと私は教室を出た。